Sunday, January 16, 2011

The New Opera "MIKADO" in Chicago! シカゴ版:オペラ「ミカド」!

 


 シカゴ・リリック・オペラが昨年末、オペラ "The MIKADO"を上演! 勿論、学期末で超多忙だったし、みるのは不可能だったけれど ─メディアによると、その音楽的な出来に加えて、特に新演出による舞台衣装や装置の美しさは、溜息ものだったとか。


Lyric OperaのSiteのレビューには、このようにある:



“The Mikado, Lyric Opera of Chicago”
http://chicagotheaterblog.com/2010/12/11/the-mikado-review-lyric-opera-chicago/ "I’ve found it, the perfect Christmas gift! It is Lyric Opera Chicago’s radiant, lush, sophisticated and gorgeous production of Gilbert and Sullivan’s The Mikado. One could even put a big red bow on it, the same color as the massive, velvety red flats that act as imperial Japanese doors to the proscenium of Lyric’s stage. They are perfect—as is the whole of


Mark Thompson
’s design for the production. How else to describe his set and costumes’ color palate but as a visual seduction that amplifies and fulfills Arthur Sullivan’s opulent score. Chicago Tribuneのレビューhttp://www.chicagotribune.com/entertainment/music/ct-live-1208-mikado-review-20101207,0,4208095.column


Lyric's mirthful 'Mikado' banishes the chill of winter


 1885年にロンドンで初上演されたという"The Mikado"は、当時、東洋の遠い未知の国と想定されていた日本が舞台で、登場するミカドも明治天皇のイメージだ…欧米では昔から人気が高く、アマチュア層のオペレッタの定番の演目などとしても上演頻度も高いという  …しかし、日本人には皇太子ナンキ・プーやKoko、Yum Yumといった登場人物は、荒唐無稽すぎて少し受けいれがたいものもある、そのため日本では近年まで、ほとんど上演されなかったとか(そのためにタイトル以外は、やや馴染みが薄い?)


 ─しかし今回のChicagoバージョンは、19世紀のImperial Japanの大礼服など極彩色なイメージが、ビジュアル的にも最高…ではないか。未曾有なレトロジャパンを満載した美しい舞台デザインが、慌しいこの年末、寒さでガサついた心を慰める季節の贈り物として評判を呼んでいたようなのだ。 目一杯に綺麗な日本物の新演出は、経済不況の世相のなかで、米国人が「今、見たいイメージを満載した」のかもしれない感じだった。 こんなgorgeousなグッド・オールド・ジャパンをシカゴアンだけが堪能しているのだろうか?


[Wikipediaにはこうもある]: …「戦前、天皇をからかっているという理由で、在連合王国日本国大使館が英国外務省に抗議し、(『ミカド』の)上演禁止を要請したという噂もあるが、真偽のほどは定かではない。日本国内では、外国人向けのホテルなどで題名を伏せたり見張りつきで上演したという話も残っている… 1907年に伏見宮博恭王が日露戦争の際の英国の協力への返礼のため国賓として訪英した折、英国政府はロンドン中の劇場やミュージック・ホールに対して喜歌劇『ミカド』の上演および抜粋の演奏を禁止した。が、当の伏見宮はロンドンではやりの、しかも日本を舞台にした喜歌劇を聴けなかったことを残念がったという…」


(My comment) It seems to be the classic comedy opera "The Mikado" featured the image of 19C imperial Japan, the story is located in an exotic, far east country... But historically Japanese people haven't really been inclined to see this opera, because it appeared to be mocking the Japanese emperor.. the story and the characters' names sound stupid or preposterous... so, it seems to be almost never played in Japan until JUST recently.. But maybe we should forget about preposterousness...? or give up sticking to the past, since the latest Chicago version of "The Mikado" - of Gilbert and Sullivan- seems abandunt with rich, fantasic images of good-old Japan.. (I thought American production designer must have created this posh stage and costumes.. just as the image which they wanted to see in this bleak economic situation..?)  


 ところで日本物といえば、3年前にHaruki Murakami物の芝居を躍進中のシカゴのローカル劇団ステップンウルフ・シアターが上演していたのも思い出す…知り合いの米人俳優は「自分はあの演出、あまり買わない」と酷評していたけれど─Steppenwolf版の "海辺のカフカKafka on the Shore"は、パブリシティ的にはめだっていた…(海外で評判の高い新しい日本作家の作品を新脚色した芝居とあり、内陸の閉ざされたこのシカゴの街では大分新鮮さがある。TVのローカルニュースでみた演出家も何となく得意気、ノリノリ?にもみえた)


→ Chicago版 "Kafka on the Shore"のAd Visualhttp://www.centerstagechicago.com/theatre/shows/6051.html 

Friday, January 7, 2011

黒人市長候補はCarol Moseley Braunに一本化、Danny Davisは脱落



 2月22日の市長選にむけて、RahmやChico等の白人候補に対抗する黒人候補者は当初、James Meeks、Danny Davis、Carol Moseley Braunの有力3候補が乱立、黒人票が分裂するとしてJesse Jacksonなどの“黒人リーダー”たちが懸念していた。   

 しかし、3候補のうち、サウスサイドのバプチスト・メガチャーチの黒人牧師で上院議員のJames Meeksは先日、ばく大な(と思われる)資産総額の公表などを拒否した後に、立候補を取りさげた…  黒人女性候補で元上院議員のCarol Moseley Braunについては「政治的には過去の人」と一蹴しているような記事も多かったが、黒人層には草の根的な支持も結構あるのかも?

*写真はBraun候補


 10月頃に、自分もBrynMawrの駅近くで背の高い黒人に“Maam”などと呼びとめられたりしてCarol Moseley Braunへの署名を求められた(彼は身なりから察して、HalpinとMeeksへの署名を集めていたとかいう、Homeless guyにはみえなかったが)そのときは新参者だったのでMoselay Braunが誰だか知らず、“彼女はポリスに拘束されているのか?”などと頓珍漢なことを尋ねてしまったものだ…すると“違う、彼女は市長に立候補している人だ”と説明をしてくれたが、それでも私がその人のことを知らないというと、がっかりして行ってしまった …  

 年末の金曜日、残る有力黒人候補のひとりDanny Davisが、Jesse Jackson師に説得されて立補を辞退したと報じられた。 Braunが強かったのは有力な黒人ビジネスマン、ComEd(イリノイ最大の電力会社)のCEOが彼女の支持を表明したのが最終的圧力になった、云々…。結局黒人層のもとめていた"コンセンサス候補”は、Carol Molesey Braun候補に絞られDavisは彼女の支持にまわると記者会見で述べた…

*ビデオ: Davisの市長選辞退の記者会見には、BraunとMeeksも同席 
http://abclocal.go.com/wls/video?id=7874278&syndicate=syndicate&section

…1月1日の記事 Davis drops out, endorses Braun His decision makes ex-senator sole major black candidate in mayoral race(黒人候補は一人に絞られる) 

 …前略:人種やエスニシティが大きな役割をはたすローカル・ポリティクスにおいて、いまやこの競争は、市の元教育委員長だったGery Chico、唯一のラティーノ大物候補で、市職員のMiguel del Valleが抜きん出ており、Braun及び、前ホワイトハウス大統領補佐官のRahm Emanuelと対戦している。

 ChicoはBraunとEmanuelを、即座に「ワシントンD.Cの政治家」と位置づけて、彼自身はシカゴの教育委員会やデイリー市長の側近として、市のために長年働いてきたということを強調した。 Chicoは、”私はすべての公共サービスの仕事で成功した、なぜなら私は民族や人種のラインを超えて協力関係を打ちたててきたから”、との声明を発した。

 とはいえEmanuelの選挙キャンペーンは、アフリカンアメリカン層からの支持票の獲得を諦めるものではない。Emanuelは、彼がバラク・オバマ大統領の補佐官だったことをうったえ──この国の最初の黒人大統領が、Emanuelが市長選出馬のために側近の職を辞した際には、彼を幾度も賞賛したことを強調した。 “我々は、我々が直面するすべての挑戦において、共にシカゴ市民の代理として働き、この街のすべての地域の求めるものについて人々に呼びかけねばならない”、とEmanuelは、その声明で述べた…


 コンセンサスを形成する努力がなされるなかでいまだに語られずにいるのは… 多くの政治的プレーヤーたちがぶっきらぼうな評価を下しているのだが… 黒人と白人の有権者たちが─ Harold Washingtonが1983年に最初のシカゴの黒人市長に選ばれて以来、20年以上たった今でも─ 人種にフォーカスを当てている、ということだ。Washingtonは、最初の任期を勝ち取った1083年の選挙戦で、唯一の黒人市長候補だった。黒人リーダーたちは、その選挙より以前から何千何万人もの票田(有権者)
を獲得していたのだが。

 Davisは、彼がBraunを推す理由は、単に彼女がアフリカン・アメリカンだからではない、と主張する。 "私は、ベストな候補者のもとに人々を統合したい”、とDavisはいう。“私の知っている誰もが皆、Carolが最良の候補者だと考えているから…。”

 当初、Davisは、“勝利に近づくために”、Braunへの支持を表明することで、すなわち自分が選挙戦をドロップアウトする、とは思っていなかった、という。しかし後には、もちろん自身の立候補には終止符を打つ、と表明した。 ”私は完全にレースをドロップアウトした。私はすべての熱意をかけて、Carol Moseley Braunを支持している”…
http://www.chicagotribune.com/news/elections/ct-met-danny-davis-01-01-20101231,0,5724476.story New York Timesの関連記事

Other Blacks Drop Out and Throw Support to Moseley Braun in Chicago Mayoral Race

 …Emanuelが世論調査で支持を集めはじめ、Bill Clintonが昨年1月に彼の選挙戦への協力を宣言して以降、アフリカン・アメリカンのリーダー層は再度(黒人層の)統一を呼びかけた。水曜日の夜にJesse.L.Jakson師がシカゴのSouth SideのRainbow PUSHの本部で会合を召集し、Braunや Davisその他が集まった会合は4時間に及び金曜日遅くまでにDavisは選挙戦を退くと宣言した。


(*Rainbow/PUSH : Jesse Jackson師が設立したNGO団体。社会的、政治的な啓蒙を黒人層等に呼びかけている)  政治と人種の問題は、この地で長らく複雑にからみ合ってきた。政治アナリストたちのなかには、人種の問題は…民族基盤や市の中の出身地域などと共に…以前ほど大きく票を分ける要因ではなくなるだろう、と予測する人々もいる。しかし、シカゴの選挙の歴史(Daley市長の就任以前の)はそれを指し示している: シカゴアンたちは1980年代に彼らの最初の黒人市長 Harold Washingtonを選出したが、それは”Council Wars(評議会同士の戦争)"と呼ばれるものに支配されていた時代だった…、白人代議士の多くがWashingtonの支持者たちと闘いを繰り広げ、シカゴ市は“Beirut on the lake”(ミシガン湖畔のベイルート…内戦の地)という痛ましいニックネームを得た。

 今週末の事態の発展は、確かにMs.Braunの選挙戦でのチャンスを拡大するようにも見える。しかしその効果は、いまだに完全にあきらかでない。63歳のMs.Braunは1992年、上院議員として選ばれた最初の黒人女性として巨大な注目を集めたが2期目の選出を逃し、最近では政治的な視野から消えていた。Ms.Braunは今やEmanuelやChico、市職員のMiguel del Valleとともに、続々と減り続ける市長候補者のなかに居すわっている…
http://thecaucus.blogs.nytimes.com/2011/01/01/other-blacks-drop-out-and-throw-support-to-mosley-braun-in-chicago-mayoral-race/?scp=1&sq=Danny%20Davis&st=cseJanuary

 …Braunにとっては、DavisとMeeksの支持者層と、世論調査時には支持者が未定だった浮動層(黒人有権者層の30%)の統合が仕事になる…また黒人ビジネス・リーダーの資金援助を得ねばならない。 この戦略は1983年に、Washingtonが市長に選出された際にアフリカンアメリカンのリーダー達が行った一つの戦略に類似する。Washingtonは黒人層のコンセンサス候補だったが、2人の白人候補者がその支持層を分裂させてしまったのち、民主党の予備選挙において37%の票を得た。その後彼は本選では共和党から出たが、lakefront地域のリベラルな有権者からも支持された…こうした有権者らがBraunに魅力を感じ続けるかどうかには疑問がある。

 Washingonは人種を超えた支持層によって再選されたが、彼の死後そのような同盟関係は粉砕された。Daleyは1989年に白人とラティーノ層による支持の強さから市長に選ばれたが、前任者のWashingtonのように、彼はコアとなる支持層を超えて市のあらゆる問題にとりくむと同時に、他のエスニック・グループとも協働して、契約の効力や、雇用やインフラの改善につとめた。

 人種間の紛争をあおる多くの問題は、依然として残っている─たとえばトラブルを抱える学校や、犯罪、貧弱な雇用市場、その多くが人種別に隔離された住宅や地域の問題、また市の乏しい財政やリソースの統合の問題などがある。

 彼女にはまだ逆風となる問題がある。1992年に上院議員に選ばれた際、彼女は政治力の頂点をきわめたが、彼女の任期は破滅的だった。彼女は再選を目指す上院選での資金濫用疑惑で捜査を受け、またナイジェリア旅行の際にその独裁者と(勝手に)会合した事で論議を呼び、そして上院選で当時無名の共和党候補に敗れた。その後、クリントン大統領は彼女をニュージーランド大使に任命した。

 …1998年に彼女は再選を目指さないと言明したが、2004年に短期間民主党の大統領選に出馬、アイオワ州予備選の前にリタイヤした。彼女はその後自分の食品会社(最近ではオーガニック・コーヒーと紅茶の会社、Ambassador Organics)を設立した…
http://www.chicagotribune.com/news/local/ct-met-mayor-race-0102-20110101,0,6312012.story *彼女は世論調査では黒人3候補中、最下位だったとか。近年は事業経営が不振で財政的な窮乏状態にあったという… 先代市長たちのようなカリスマ性と統合力をもてるのだろうか?



(*左:Carol Moseley Braun, 右:Danny Davis) 





*ChicagoのPublic Library(Harold Washington Library)にその名を残す2代前の黒人市長、故Harold Washingtonは黒人層に今でも慕われている!(Chicagoの黒人の前で彼を知らないといったら呆れられる)

Saturday, January 1, 2011

若者のバイオレンス、シカゴのフードデザート、フェンガー・ハイスクール事件Youth Violence, Food desert, Fenger Highschool beating

 シカゴに滞在していて気になったのは、教育の問題…でも、「感想は?」と聞かれたら、余りにも混沌としすぎて、何とも答えようがない。マイノリティや移民の家庭の子も多い、City Collegeの生徒に混じっていると身近な問題に思えた。とくに低所得層の居住地域や、その地域の公立校等では…ティーネージャーの多くがギャングにとりこまれたり、グループ同士の勢力争いが余りにも日常的─ カレッジの1年生が多い英語のクラスでも、エッセイの内容を考える「とっかかり」として、「bad neighborhoodの問題を、どうしたら良いのか」とかいう討論があったのだが、犯罪や暴力の多い劣悪な地域、警官がもの凄く柄の悪いウェストサイド…などに住むクラスの子らの訴えを聞いて暗澹たる気持になった(20人余りのクラスでも本当に「悪い地域」に住んでいる、というのは2人ほどだったけれど…)

 グラフィックアートのクラスで一緒で…Photoshop CS5の操作が速くて器用で…いつも感嘆させられたblack girlのアシュリー…は特に「悪い地域」に住んでいるというのだ。 クラスの討論での発言によると、彼女は真面目に大学に通っているのに、近所の街角で出会う警官が、荒んだ質問をしてくる、「どこへ行く?何人子供がいる?…」などと…その街では、一人ひとりがどんなに努力しても、周囲のネガティブな環境が、それを阻んだり、周囲から押しつぶそうとするのだろうか?

 シカゴのエリアには3ケ所ほどの深刻な“Food Desert”もある…それは半径1.5マイルほどの地域に生鮮食料品(Produce)を売るグローサリーやスーパーが一軒もなく、地域の住民が日常、必要な新鮮な野菜や肉や果物を入手できない、という、いわゆる食料砂漠だ(2,3マイル離れた場所の店にアクセスできるバスなどの交通手段も皆無なのだ、とか…) これは、Far South Side やWest Sideの昔から黒人層の多い地域などに多いようだ…最近、シカゴ中の大学でも問題視されて、リサーチだけは盛んだ。(自分のクラスだけでも期末ペーパーでこれを扱っっていた学生は3人以上)「それはアフリカ系の住民が、生鮮食料品というものを食べないからだ」とアフリカ系ではないリサーチャーが大胆にも暴言を吐いた(Someone had audacity to say...)とか…社会学のアフリカ系のティーチャー、エイリーンは憤慨していた。彼女自身も1,2年前にこの件でフィールドリサーチをしたそうだ。「そこにはなぜ…他の地域によくあるようなメキシカンやアラブ人の経営する小さなスーパーすらもないの?」 などと聞くと、「いい質問だ、銀行がその街のアフリカン中心の住民層にビジネスを始める資金融資をしないのだ」と彼女は答えた。銀行はクレジットヒストリー等も厳しく問う可能性もある─長年行政が人種別の居住地隔離政策を進めてきたこの都市での、歴史的な差別経済racial economyの結果なのだ

 CTAの市営電車もまだFar South Sideまでは通ってはいない(最南端は95th St. Dan Ryanだ)膨大なシカゴの南郊地域の人口のダウンタウンへのアクセスすら殆どないとか(2016年オリンピック開催が決まっていれば、新たなCTAのラインを作る計画もされていたが、オリンピックへの夢と共にそれも潰えた…*注:市長選に出たエマニュエルはCTAレッドラインの南への新たな延長計画を提案したが)

 55thから59thSt?の 近辺のUniversity of Chicago周辺のハイドパークエリアでも、(ハイドパーク自体は静かで美しい学生の街だが)道路ひとつ隔てて低所得のアフリカン・アメリカン層の地域と隣り合っているので暗くなると暴力的な犯罪が起こる事があり、警戒されている。ハイドパークよりも南には行ったことがないけれど…そこからFar South Sideに行くまでの途中が特に治安が悪い地域で、最南部に住む住民はダウンタウンと行き来するにはギャングや犯罪の地域を通らねばならないのも難点だとか。その地域には、かつてはシカゴの住宅政策の失政の象徴として悪名高かったRobert Taylor Home(公共住宅の高層ビル)もあった。(郵便局も配達を拒むようなギャングの根城だった。その潜入ルポを書いたシカゴ大のスディール・ヴァンカテッシュの著書「Gang leader for a day(邦題:ヤバイ社会学)」は最近、日本語訳も出されている…今ではこうした公共住宅は皆取り壊されて、行政が低所得層のなかにわざと中間層を誘致する混合所得地域に、生まれ変わりつつある…少なくとも名目上は)

Fenger High School事件の公判

 パブリックスクールをはじめとした教育の改善の問題はメディアでも頻繁に論議される…先日ハイドパークで大きなコンファレンスもあったものの聞きに行けなかった(1月からの春学期を前に各校が新入生をいざなう電車広告も溢れている)このところ耳目を引いたのは、2009年9月に111Stで起きた、Fenger High Schoolの生徒と近所の公共住宅に住むティーンエージャーグループとの抗争でDerrion Albertが殺された事件…の1年後の公判があったというニュースだ。Derrion をツーバイフォーの木材で殴った15歳の生徒をはじめ、3人のFengerのティーンネージャーが有罪判決を受けたとか。

 対立する高校生グループ同士のStreet fightが暴走し16歳のDerrion Albertが暴力で殺された怖いビデオは日本にいた際に偶然ネットで目にした…その時は、このような怖いティーンネージャー抗争のビデオが米国ではよくある事か、まれなのか…の位置づけが全く判らなかった (写真は被害者 honors studentだったDerrion Albert ) でもシカゴに暫く居る間にそれも判明した…そのビデオは、2009年にメディアにウィルスのようにネットに拡大し(the video went viral)全米を震撼させていた。そしてシカゴのYouth Violenceの問題を改めて全米に印象づけた、とメディアはサマライズしていた(暴力と殺害の現場を捉えたビデオはさすがに稀で社会に大きな影響を与えたのだろうか。2007年頃にもニューヨークのUnion Sq.で同じようなハイスクール間の抗争があり、黒人生徒が殺される事件があったが、現場のビデオなどなかったためかメディアでも話題にすらなっていなかった。それは、”よくあること”のように終わっていた)

Fenger Highschool事件の1年後の公判の記事 http://www.chicagotribune.com/news/local/ct-met-fenger-beating-trial-1209-20101208,0,2026914.story Fenger student, 15, guilty of murder in death of classmate Teen Derrion Albert Attacked, Beaten to Death in Melee(Derrionの殺害時の恐ろしいビデオ) http://www.myfoxchicago.com/dpp/news/metro/video_derrion_alberVideo: Derrionの母親のインタビュー http://www.myfoxchicago.com/dpp/news/metro/derrion_albert_momMom of Teen Who Was Beaten to Death Speaks Out

事件で有名になった後に学校の様相ががらりと変化したという記事…http://www.chicagotribune.com/news/local/chi-fenger-safe-passage-06-oct06,0,2119252.story

Teen goes on trial for fatal beating at Fenger High- With stricter discipline, school is now calmer その後、SouthSideの教育刷新への新たなハイスクールの計画の記事が出たが、折角新設校をグレードアップしても、地域の新旧の学生同士には更なる対立が予想される、との記事(今回のような暴力沙汰、殺人事件まで予想されるというのだろうか?) http://www.chicagotribune.com/news/local/chicago/ct-x-c-south-shore-high-school-20110105,0,4120683.story New South Shore high school creates community rift