バーンズ&ノーブルズ、ボーダーズなどの大きな書店にはお世話になったのに …ネットの隆盛に押されたBordersは遂に、今年初めに「チャプター11」へ。State通りの店に行ってみても、とうの昔に閉店セールも中盤を過ぎた趣き。
「Everything must go!」という吊りポスターの下にいると…物見遊山か略奪客か…みたいな感じになる。
皆が憩いの場所だった書店に半額セールを期待してくるけれど、いい本は何も残っていないのだ…
店内の一部シェルフに残っているのは安物のFiction小説やMystery、ロマンス小説、子供向け…みたいなcheap bookと、ファンシー雑貨だけ。…Chicagoの観光ガイドや歴史本なども見当たらない。たぶん本らしい本は全て、早々とどこか別の業者に売ってしまったのだろう─ 冬用のブランケットとThrowだけを買って帰ったが…
日本では時々、米国の本の主流は安いペーパーバックばかり?などと誤解する人がいるけれど…それは違うのだ。手軽に読み捨てできる安物小説類が電子ブックに代わられ、ペーパーバックの出版数が急落する一方で、今後はペーパーメディアといえば本当の本らしい本、ハードカバーやトレード・ペーパーバックだけが残る兆し、というのだ…
..Recession-minded readers who might have picked up a quick novel in the supermarket or drugstore are lately resisting the impulse purchase. Shelf space in bookstores and retail chains has been turned over to more expensive editions, like hardcovers and trade paperbacks, the sleeker, more glamorous cousin to the mass-market paperback. And while mass-market paperbacks have always been prized for their cheapness and disposability, something even more convenient has come along: the e-book...
http://www.nytimes.com/2011/09/03/business/media/mass-market-paperbacks-fading-from-shelves.html?scp=2&sq=e-book%20readers&st=cse
最近の新刊本は、1年以内にハードカバーからトレード・ペーパーバック…つまりハードカバーとペーパーバックの中間的なものに、そしてペーパーバックへとあっという間にダウングレード、価格もどんどん安くなってしまっていた…(その数ドルの差が売り上げをぐっと伸張したというが、同じ本をなるべく手早く読みたい者にとってはその気持ちは分かる)でも、今やペーパーバックの座はさらに便利なe-booksに奪われて危機に瀕する傍ら、トレード・ペーパーバックや ハードカバー本の印刷部数が従来より増えている…
e-books隆盛でも、本当のハードカバーの本はより一層愛されて廃れないのかもだ。以前居た、年代物アパートの同居人も…Indianaのattorneyだったという亡き父上の蔵書のコレクションを棚にしつらえて…使われていない大きな暖炉を覆うTV棚の訪問客が手にとれる位置に、ソール・ベローとかS・モームなどのpaperback、フィッツジェラルドの若書きの小説とか…心休まりそうな古いペーパーバックがあった…そこに座るだけで「読書の手ほどき」をするような意図がセットになっている(本人は余り本を読みそうになかったのだが…)背後の壁際の大きな書棚には、天文学や、人類学などの故人の古い大きな本が詰まっていた─ さりげないfamily traditionだったようにみえた。
気づいてみると、そういう心づかいはこの街のカフェや、コンドーのロビーにある共用パーラーなどの何処にでもあるようにもみえる。
最近では、WalMartの安物ペーパーバック売り場でさえも、トレード・ペーパーバックの売り上げが伸びて、売り場の本をそれらに置き換えつつあるという。また以下の記事によると生き残った大型書店のBarns&NoblesはWalMartらとともに、ネット小売業者の拡大を必死に阻んでいるという。
http://www.asahi.com/business/update/0904/TKY201109030583.html
アサヒ・コム"財政赤字からの脱却をめざすカリフォルニア州は、州内に実店舗がなくても、子会社や「アフィリエイト」と呼ばれるサイトの運営事業者が州内にあれば、売上税を課す新法を7月から施行した。後押ししたのは、米ウォルマート・ストアーズや米書店チェーン首位、バーンズ・アンド・ノーブルなどだ。州は、新税によって約2億ドル(約154億円)の増収を見込む。("米加州のネット新税、アマゾン「撤回なら7千人雇用」") "
(Bordersは7月下旬に法廷での売却交渉が決裂して、突然復活の望みも絶たれて全店閉鎖とか。誰の目にも余りにも唐突無常の感が)
*Public Library's lecture about the Chicago novelist Saul Bellow's "The Adventure of Augie March"
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