Sunday, November 21, 2010


"Middle East Music Ensamble"

 ハイドパークのインターナショナルハウスでミドルイースト・ミュージック・アンサンブルを観た。2年前に観た際と異なり、今回は最前列の近くに座れたので、演奏のディテールを楽しめた。

 今日の曲目はすべて、ムーア帝国黄金時代のアンダルシアのアラブ歌曲「Muwushahat(単数形:Muwushah)」形式の曲だとか。コンサート・タイトルは"Arab Concert-Muwashahat-Songs of Andalusia"だ─ そのMuwushahというのは、愛と現世・来世の喜びを複雑な言葉で語る9世紀の詩による歌曲だとか…

 タンバリン奏者の叩く乾いたリズムで始まる幕開けのインプロビゼーションから、ひと味違う。アラブ音楽は、こんなに躍動感と繊細さに満ちていたのか…中世音楽と思えないリズムと軽やかさ?

 このアンサンブルの楽器編成はいったいどうなっているのか…メインに中東音楽の民族楽器を据て、西洋音楽の弦楽器(バイオリン、チェロ、ダブルベース)も交えてアラブ音楽に特徴的な通奏(中)低音の部分を支えている…ようにもみえる。

 そのアラブ楽器とはつまり、琵琶形のギターの先祖風のOud奏者数人、Oudより柄の長い琵琶型のBuzuq、チターかハープシコード風の旋律楽器Qanoon,瓢箪の弦楽器Tar、アラビアンナイトの神秘的な縦笛Nay、また打楽器はタンバリンに似たRiqと、胴がくびれた太鼓のDarbouka。

 …西洋楽器のバイオリンは19世紀以来アラブ音楽に採りいれられたとか。また白ボディに金色鍵盤のアコーディオン、オーボエにクラリネット、リコーダーもある。今回ディレクターは新任のWanees Zarour氏、メインのアラブ楽器にはプロフェッショナルの演奏者も含まれるが、メンバーの大方はUniv of Chicagoの学生さんという。アラブ系に交じり白人やアジア人の学生も。

 耳に馴染みのある、スパニッシュギターのロドリーゴやグラナードスといった作曲家のアンダルシア音楽とも実にそっくり…とくに節回しや情緒がまったく同じだ。スパニッシュはこのアラブ音階に、たった一音か、二音だけ別の音を加えたことも一目瞭然だ(それにジプシー音楽のフラメンコも加味してるのだろう)アンダルシアを征服したムーア人にスペイン人が服従していた時代、これらの音楽がメインストリームだった頃の感覚を思いやってしまう。その後のアンダルシア音楽は、純粋にヨーロッパとアラブの融合らしい

 歌手の中でもハスキーで迫力のある女性歌手の歌がコンサートの後半徐々に白熱した。彼女の歌はポルトガルのファドの名歌手アマリア・ロドリゲスの歌い口のあのウーウーという発声の仕方から節回しまで瓜二つなことを想いだす…ファドは全てポルトガル語だった筈だけれど、その基本はこんなにアラブ音楽だったのだ?…

 ブラボーのコールも雨あられの最後はアラブ系の中年男性客たちをはじめ、観客皆でスタンディングの喝采。アラブ音楽の細かい知識がないので曲目を具体的に語れないけれど、魅了されてしまった…いまやキーワードはコルドバだし、何となくグローバルでは? 

…同アンサンブルは今後、トルコやイランの音楽をフィーチャーしてコンサートをするという(この学校ではモスレム学生組織の文化的活動も盛んらしく学内のRockefeller Churchで行われた多宗教のミサなどでも演奏をみた)UofCにははっきりいって密かにアラブの富豪の子弟もいるし、素晴らしい文化行事を年中みることができる…

 帰りがけ会場で配っていたチラシでは、来月初旬にあの引退した有名記者ヘレントーマスの講演会があるとか(でも入場料$100、スペシャルテーブルが$800?いつも殆ど無料で大物をみれるこの会場なのに…残念ながらその場所はここではなく、ベルベデレ城なるお城のようだった…そんなお城がイリノイにあるのか?)


The Middle East Ensamble
Univ of Chicago, Hutchinson Commons


The Hyde Park


This is a leaflet picked up today ..The 90yrs old ex-reporter, Helen Thomas's dinnar show in "Belvedere Chateau" in Illinois?

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