Saturday, December 31, 2011

フィールド・リサーチの事始め?

 この秋のSociologyの125、「シカゴのメトロポリスとしての発展」は大変だったが、充実していた。

  インストラクターは、シカゴと海外の公共住宅を比較研究する地元生まれの大学院生。彼女の紹介で街の歴史をじっくり垣間みるうちに、クラス中がはまってしまったようだ。ホームワークの量は容赦なかったものの、この街についてはけっこう知る事になった…

 人々が七転び八起きの驚異の努力を積みかさねて、発展を遂げた初期の街の歴史を読んで…さらにこの街にある多彩なエスニック地域から一か所を選んで、フィールドリサーチした(特定の移民層の多いエリアは77ヵ所ほどあるのだとか)

  スタートから2度目のクラスでは、皆でキャンパス近くの観光スポットWater Tower Plazaの広場のベンチに陣取り、field watchingの真似事をした… とにかく見たものすべてをまんべんなく、客観的にみたとおりにメモをとれ、とティーチャーは指示…

  "The Historic Water Tower"…という塔は一見正体不明だけれど、Chicagoanたちがミシガン湖底までトンネルを繋いで飲料水をひいた最初の給水塔だ。1871年の大火の唯一の焼け残り歴史的建造物。1906年まで使われたが、その後は…電動式ポンプの別棟の施設が稼動しているとか。

  広場を囲んで通行人ウオッチングをしつつノートをとっていたら、我々が何をしているのか不思議に思ったTouristたちに逆に質問された… 

 *Photo:The historic Water Tower =>
 We, the first SOCL students began our excercize of  field research here from the Water Tower Plaza.. Some passers-by tourists who seemed curious about our behavior (while we were taking notes on the bench..watching passer-bies)  have reversely asked us about what we were doing here.. 

 次なる実習はCTAのトレイン・ライドで、CTAの普段は乗らない路線に乗車して車内外を観察。郊外育ちの白人の多いクラスメイトたちは、未体験路線が多かったのかもしれないが…住居探しでけっこうエスニック地域に行き慣れていたので…今いち新鮮な感動が少なく書くことに苦労した。 

  対象ラインはレッドライン、グリーンライン、ブルーライン、ピンクライン…富裕層の白人地域にいくブラウンラインは、当然対象外である、という。

 …これが、簡単なエスノグラフィを書くための実習…何しろ100番台のクラスだから初歩的なトレーニングをするという。エスノグラフィを書く、とは何なのかを実感し、理解するのが目的だとか。

  授業の空き時間にアフリカン・アメリカン地域のサウスサイドの路線(レッド、又は、グリーンライン)で行き来して観察する。その地域に住む人たちの様子や服装、電車にのる目的は、どこへ行くらしいのか…窓の外の景色は…など気づいたことを皆、ノートにとる。
 
  特にグリーンラインは市の中でも一番の貧乏エリア路線、ダウンタウンのループ(環状線)から乗る車内の乗客の殆どはブラック…それに、メキシカン…たまにアジアンなど。半数は黙りこくって、やや暗い雰囲気もある …でも、半数の乗客は他の路線と変わらない普通な雰囲気の人々…元気な学生風の女の子たちなどだ。あくまで服装等の印象だけれど…ダウンタウンの繁華街で普通に買物を楽しんでいる…ミドル・クラス風のブラックの人たちもサウス・サイドから来ているとしか思えない。

  実際に、この街のエリアがこうも人種的に区分けされているのは歴史的な経緯が大のようだが、今では必ずしも所得のせいではない…中流・上流の所得に到達した結構富裕な黒人層でも、そのままこうした黒人エリアに住みたがる人も多いそうだ…(それは学期末にアトランタから来た、ジョージア州立大のリサーチャーたちのプレゼンできいた話)

 社会的なプレッシャー(不動産業者の、昔からの人種的に不平等な裏のポリシーや…白人地域の物件を黒人に紹介しない、白人地域に中流層の黒人が住んでも周囲の白人住民の目も冷たいし、差別される… など)で、中流以上の黒人も白人地域などに移住したがらず、居住区の人種別隔離がなかなか解消しないという。

 *Photo:グリーンライン Garfield Sta.

  シカゴ住宅局は、老朽化した公共住宅を出た黒人住民などを新たに計画した人種混住のミックスド・インカム地域へと移住させて人種隔離を緩和する努力もしているが…あまり効果が上がっていないとか…
黒人のおじさん等がいつも、
Chess大会をする
(University of ChicagoのMandel Hall)

─次なる課題とは、ファイナルペーパーのために自分の好きな市内のひとつの移民エリアを選ぶこと。予想以上に土地勘が必要で試行錯誤した…

 イタリア系、ドイツ系やポーランド系などのシカゴの昔を偲ぶ「古い移民エリア」?とか…テキストには載っていても、実際にはもう影が薄くてリサーチ向きではない…
 唯一、歴史的な過去を辿れるスポットがたまに残っているのば、観光客や学生向けの小さな博物館… その代表は、Holstedの有名なセツルメントハウス、Hull HouseのMuseumなど… 


 *Hull Houseは、Jane Adamsが設立した移民のための最初のコミュニティセンター…今ではその回廊型建築の13棟のうち2棟だけ残存する。火曜日には昔を偲ぶSoup Kitchenとレクチャーがあったが、近く閉鎖するともいう(本当のHull Houseをみれなくなるのは、まずいのではないか…)

 Photo: Hull House Museumにあるセツルメントハウスの建物の模型)--->


 
*リサーチの対象エリアには結局…ウィッカー・パークの南隣の、エスニック色が強く集中しているウクライナ・ヴィレッジを選んだ。
        

*18th St.駅の Mexicanのナショナリズムたっぷりのmural。このPilsen areaもリサーチにお勧めめエリアだという















*Explore Chicago's 77ethnic neighborhood ...Good for sightseeing
http://www.explorechicago.org/city/en/neighborhoods.html

No comments: