Saturday, December 31, 2011

フィールド・リサーチの事始め?

 この秋のSociologyの125、「シカゴのメトロポリスとしての発展」は大変だったが、充実していた。

  インストラクターは、シカゴと海外の公共住宅を比較研究する地元生まれの大学院生。彼女の紹介で街の歴史をじっくり垣間みるうちに、クラス中がはまってしまったようだ。ホームワークの量は容赦なかったものの、この街についてはけっこう知る事になった…

 人々が七転び八起きの驚異の努力を積みかさねて、発展を遂げた初期の街の歴史を読んで…さらにこの街にある多彩なエスニック地域から一か所を選んで、フィールドリサーチした(特定の移民層の多いエリアは77ヵ所ほどあるのだとか)

  スタートから2度目のクラスでは、皆でキャンパス近くの観光スポットWater Tower Plazaの広場のベンチに陣取り、field watchingの真似事をした… とにかく見たものすべてをまんべんなく、客観的にみたとおりにメモをとれ、とティーチャーは指示…

  "The Historic Water Tower"…という塔は一見正体不明だけれど、Chicagoanたちがミシガン湖底までトンネルを繋いで飲料水をひいた最初の給水塔だ。1871年の大火の唯一の焼け残り歴史的建造物。1906年まで使われたが、その後は…電動式ポンプの別棟の施設が稼動しているとか。

  広場を囲んで通行人ウオッチングをしつつノートをとっていたら、我々が何をしているのか不思議に思ったTouristたちに逆に質問された… 

 *Photo:The historic Water Tower =>
 We, the first SOCL students began our excercize of  field research here from the Water Tower Plaza.. Some passers-by tourists who seemed curious about our behavior (while we were taking notes on the bench..watching passer-bies)  have reversely asked us about what we were doing here.. 

 次なる実習はCTAのトレイン・ライドで、CTAの普段は乗らない路線に乗車して車内外を観察。郊外育ちの白人の多いクラスメイトたちは、未体験路線が多かったのかもしれないが…住居探しでけっこうエスニック地域に行き慣れていたので…今いち新鮮な感動が少なく書くことに苦労した。 

  対象ラインはレッドライン、グリーンライン、ブルーライン、ピンクライン…富裕層の白人地域にいくブラウンラインは、当然対象外である、という。

 …これが、簡単なエスノグラフィを書くための実習…何しろ100番台のクラスだから初歩的なトレーニングをするという。エスノグラフィを書く、とは何なのかを実感し、理解するのが目的だとか。

  授業の空き時間にアフリカン・アメリカン地域のサウスサイドの路線(レッド、又は、グリーンライン)で行き来して観察する。その地域に住む人たちの様子や服装、電車にのる目的は、どこへ行くらしいのか…窓の外の景色は…など気づいたことを皆、ノートにとる。
 
  特にグリーンラインは市の中でも一番の貧乏エリア路線、ダウンタウンのループ(環状線)から乗る車内の乗客の殆どはブラック…それに、メキシカン…たまにアジアンなど。半数は黙りこくって、やや暗い雰囲気もある …でも、半数の乗客は他の路線と変わらない普通な雰囲気の人々…元気な学生風の女の子たちなどだ。あくまで服装等の印象だけれど…ダウンタウンの繁華街で普通に買物を楽しんでいる…ミドル・クラス風のブラックの人たちもサウス・サイドから来ているとしか思えない。

  実際に、この街のエリアがこうも人種的に区分けされているのは歴史的な経緯が大のようだが、今では必ずしも所得のせいではない…中流・上流の所得に到達した結構富裕な黒人層でも、そのままこうした黒人エリアに住みたがる人も多いそうだ…(それは学期末にアトランタから来た、ジョージア州立大のリサーチャーたちのプレゼンできいた話)

 社会的なプレッシャー(不動産業者の、昔からの人種的に不平等な裏のポリシーや…白人地域の物件を黒人に紹介しない、白人地域に中流層の黒人が住んでも周囲の白人住民の目も冷たいし、差別される… など)で、中流以上の黒人も白人地域などに移住したがらず、居住区の人種別隔離がなかなか解消しないという。

 *Photo:グリーンライン Garfield Sta.

  シカゴ住宅局は、老朽化した公共住宅を出た黒人住民などを新たに計画した人種混住のミックスド・インカム地域へと移住させて人種隔離を緩和する努力もしているが…あまり効果が上がっていないとか…
黒人のおじさん等がいつも、
Chess大会をする
(University of ChicagoのMandel Hall)

─次なる課題とは、ファイナルペーパーのために自分の好きな市内のひとつの移民エリアを選ぶこと。予想以上に土地勘が必要で試行錯誤した…

 イタリア系、ドイツ系やポーランド系などのシカゴの昔を偲ぶ「古い移民エリア」?とか…テキストには載っていても、実際にはもう影が薄くてリサーチ向きではない…
 唯一、歴史的な過去を辿れるスポットがたまに残っているのば、観光客や学生向けの小さな博物館… その代表は、Holstedの有名なセツルメントハウス、Hull HouseのMuseumなど… 


 *Hull Houseは、Jane Adamsが設立した移民のための最初のコミュニティセンター…今ではその回廊型建築の13棟のうち2棟だけ残存する。火曜日には昔を偲ぶSoup Kitchenとレクチャーがあったが、近く閉鎖するともいう(本当のHull Houseをみれなくなるのは、まずいのではないか…)

 Photo: Hull House Museumにあるセツルメントハウスの建物の模型)--->


 
*リサーチの対象エリアには結局…ウィッカー・パークの南隣の、エスニック色が強く集中しているウクライナ・ヴィレッジを選んだ。
        

*18th St.駅の Mexicanのナショナリズムたっぷりのmural。このPilsen areaもリサーチにお勧めめエリアだという















*Explore Chicago's 77ethnic neighborhood ...Good for sightseeing
http://www.explorechicago.org/city/en/neighborhoods.html

Sunday, December 25, 2011

Take a look at Bronzeville and 75th St...

Lately,  Chicago is snowless and amazingly warm..
I glanced at "Bronzeville" area..from Green Line's 35th Bronzeville-I.I.T sta..before returning home



<---"Chicago Defender" (The legendary black newspaper in the Great Migration period..)

..Dr. Martin Luther King Drive is the main street for strolling if you wish to find the artifacts of the Black Metropolis since 1920s
..though, old atmosphere is hardly seen

  

<---Sacchimo's Former residence








<--Olivett Baptist Church..

 -  the first African American church..


<--- Near 73th Street and Stony Island..
here appeared the big, rich golden dorm!!



-  It is Nation of Islam's hq Mariam Mosque
.. I saw a couple of preachers (Mr. Sultan Muhammad et al.. both of them were almost Marcom X looks-alike) I read this site was donated to Mr .Louis Farracan by Col. Quaddafi in '70s..is that true?

Sunday, December 11, 2011

Maggie Daley ..the wife of ex-Mayor Daley died on Thanksgiving Day..
- A couple of  my classmates seemed like  named after her..

"Blago gets 14 years"..

Friday, November 11, 2011

Rock Star Teachers?

   Sudhir Venkateshといえば、University of Chicagoの社会学部で、公共住宅Robert Taylor Homesのブラック・コミュニティを研究して博士号を取得して、その後その7年間のフィールドノートを小説に仕立てた"Gang Leader for a Day"で名前が知れ渡った、インド系の社会学者…以前、日本の書店の書棚でなんとその邦訳('ヤバイ社会学')を偶然みつけて、立ち読みしていた。
 Chicagoの大学だと、やはりVenkateshのことがときどき、話題に持ち出される。今回のクラスでも、彼の博士論文(*タイトルは"American Project": http://www.sudhirvenkatesh.org/books/american-project )をアサインメントで読んだのだ(当たり前だけれど、スラング満載の小説に比べてアカデミックで真面目な論文)インストラクターのキンバリーは"とにかくVenkateshは、Rock Starなのよね.."、といって、腰に両手を当てて、邦訳版の裏表紙にもあるヤブニラミの著者プロフィール写真のマネをしてみせた…(VenkateshはUofCの大学院生時代に、浅黒いインド人の風貌から、Blackのギャングコミュニティに侵入してもNiggerと呼ばれてすっかり仲間扱いされ、首尾よくほかの学者にはできない調査を敢行したと書かれている) …Venkateshは学会では嫌われていると彼女はいうが当然かも
  VenkateshのYoutube Videoは… http://www.youtube.com/watch?v=mnww3ZNPymM

  Rock Starなティーチャーといえば…「インターナショナルスタディース」のドクターマラールか。…もが引き付けられるし若者に人気のタイプ風?(ネット上には、賞賛の嵐)、でも今回のfirst classを大胆にもすっぽかして、なぜか現れなくて(呆気にとられた)
*〈2年後になって急にわかったが、その日に彼はTVのローカルニュースに出演していた)
  Du Paulの人気の助教授で、アラブ・イスラエル紛争等がご専門、パレスチナ生まれだがクウェートから移住した… 最近、米国のアラブ・ロビーの存在を掘り下げた問題な彼自身のPhDテシスが本になった…
  それをクラスに読ませて学生をかなり洗脳している。
 BBCのサイト等から選んだ、テロリズムに関するユニークなビデオをみせてくれる。ニュースはBBCかAl Jazeera系を、そして最後には脈絡のないヘビメタ・ロックの危なっかしいビデオを追加する…
 
 先日、ドクターマラールが、クラスのゲストスピーカーとして、Du Paulを退官された日本人女性元教授、ワタヌキ先生を連れてこられた。うちの大学に昔あったWomens collegeの卒業生… 1954年に米国に渡られてドクターをとられ、女性組織論などを世界中の大学で教えてこられたが、70代の終わりでいらっしゃる。50代ぐらいのお若さの気さくな方なのでとてもびっくりし、後塵を拝したかった

 *She rocks..! ワタヌキ先生


 他のクラスでも先生方が面白いビデオを時々みせてくれる

 特筆なのは、アーチスト・サイエンティストのJonathan Harrisによるメディア・アート3部作のビデオ↓

Jonathan Harris collects stories
 http://www.ted.com/talks/jonathan_harris_collects_stories.html

Nigeriaのチャーミングな女性fiction作家の
Chimamanda Adichie
http://www.ted.com/talks/chimamanda_adichie_the_danger_of_a_single_story.html

 ↑ TED.Ideas worth spreadというサイトは、興味深い人々のレクチャーを沢山網羅してハイセンス!

Monday, October 31, 2011

CTA TRAIN RESEARCH..
                                                                                                        Red Line Garfield Sta. on Oct 14..




Green Line Cottage Grove Sta. on Oct 24

Sunday, October 30, 2011

Winter Coat Drive

(the grocery shop Jewel is now beginning to sell fire woods)

 そろそろ冬の足音が。2,3週間前から、近くの大きなローカルスーパー、Jewel Oscoの店頭の片隅では、ハロウィーングッズに混じってネット入りの家庭用の薪も売りだされた。これから来る冬を考えると、憂鬱(本格的な冬になれば薪の売り場は拡げられて、除雪剤の袋も積み上がる。この辺では古いChicago brick造りの家も意外に多いし、暖炉や薪ストーブもまだ使われるのかもしれない)
 
 同じ店頭の通路脇には"Coat Drive"のダンボール箱も出現…昨年シティ・カレッジの廊下にあったのと同じような。"Make Someone Warm!"と書いてあったりする。不要な冬物コートを投げ込んでdonateすれば、誰かが持ち帰って暖かい衣類を使える、mutual assistence。(学校によっては、Glass DriveとかFood Driveとかいった便乗パターンもある…)

 きょうのトリビューン日曜版では"CHA winter coat drive helps thousands of kis"という記事をみた。
 CHA(Chicago Housing Authority、シカゴ住宅局)が昨日、UIC(イリノイ大学シカゴ校)のFORUMの野外で4年目のannyal coat driveを開催したとか。4600の家族が以上が子供らのために、フリーの冬物コートをピックアップして帰った、とある。
(ウェブ版の記事はタイトルなどが紙版とは少し違うし、会場の様子のビデオもある….会場ではcoat driveイベントのなかで無料の医療診断や、歯科検診も行われたとか。来ている人は皆アフリカン・アメリカンみたいだ... the visitors are all African Americans?) ...Why the video is cut off so quickly?

http://www.chicagotribune.com/news/local/breaking/chi-thousands-of-cha-families-get-ready-for-winter-20111029,0,92428.story

"...The bad economy played a role in the larger numbers, but so did increasing word of mouth about the annual event that includes free medical screenings, dental care tips and sign ups for after school programs, organizers said."

"..The coats – for children up to age 14 who live in CHA residences or other subsidized housing overseen by the agency – were donated through the national non-profit Operation Warm.

Organizers expected to hand out nearly all of their stock of 10,000 on Saturday, with any leftovers going to Catholic Charities.

Last year, about 2,600 families registered for coats, said Kristen Hamer, CHA director of Community Relations.

She credited better organization and outreach – particularly to families in subsidized housing – for the larger number of participants this year."

 このイベントに参加するにはcoat driveへの”Register"が必要なようだ。生活保護を受けている子供の居る家族などがメーンの対象者だとか。
 CHAといえば60年代に、先々代リチャード・デイリー市長の号令で、黒人住民が集中するスラム撲滅を目的にル・コルビジェ風の高層公共住宅を林立させてひと時代を築いた。でも、建てた後の施設の管理や建設計画が杜撰すぎて、かえって人種隔離を悪化させ、その時代に黒人住民たちの生活レベルを沈滞させてしまった─というか、デイリー市長が(自分の住む)Irish の多い白人地域とDan Ryan Freewayで隔離して、わざとブラックベルトの住民を一箇所に押し込んだ… CHAが公共住宅をギャング組織がはびこるスラム住宅の代名詞にした張本人とかいうけれど、今は、このようなcoat driveをやっているらしい。

 シカゴの街の歴史に関するソシオロジーのクラスではそんな話ばかり読むが、先日学校のカフェテリアでクラスのテキスト(Chicago of Big Shoulders)を読んでいると、前に座った1年生風の白人の男の子が話しかけてきた。
 "Is that a book about Chicago..?" 彼は同じテキストを、高校のhistoryの授業で読んだとか。It was a nice book, It was a great class! と、彼はやや興奮ぎみに一人で覚えている内容を話し始めた。... OOO, xxx......Daniel Burnam, who designed xxxx…

  そう、Burnamなら覚えているな、" I remember Daniel Burnam, the guy who created the sky scrapers?.. ”

 すると、 "He was an architect .. 1893年のシカゴのWorld Fair (World Columbian Exposition)の会場を設計したんだ" という。World Fairは今ではほとんど忘れられているけれど、サウスサイドにWhite Cityという夢の都市が出現した博覧会だ。でも、シカゴが野蛮な都市ではないと内外に訴えるべく、アフリカン・アメリカンの住民の立ち入りを禁じたので、これも歴史に何となく悔いを残したみた目だけ綺麗な博覧会だった(その跡地を中心に提案された、5年後のシカゴ五輪の計画も、受け容れられなかった)
 でも、Burnamは、その後に米国の各都市の摩天楼建築を設計してまわって、この世に残した人だ。
 シカゴのダウンタウンのみならず。

 そのテキストには、この街がChicagou(インディアン語でworld garlic-place…smelly onion)と呼ばれて草茫々の湿地帯だった草創の物語から始まり、前時代のKaleidoscopicな出来ごとがつぶさに書いてある(はっきりいって信じられないような物語ばかり)
 ここから中西部の各地に延びる鉄道が敷かれだして、この街が物資の集積地になり発展し出したころ、街に入ってくる列車は、鉄道になれない人々を平気で轢き殺しながら入って来た…目も回るような急激な経済発展の時代もあった…云々(Instructorの彼女が群集の溢れる昔の街のフィルムをみせながら語った)
 …この街の新参者にこの授業は有難い。New YorkならNew Yorkの、ChicagoでならChicagoのurban historyを学べるのは他にも代えがたいけれど、assignmentに困らされている。

*Michigan Lake, Edgewater Hollywood Beach on Oct 23rd.. -  "Please hold back the summer!!"
Good by New Guinean Impatience on the Lake Shore

Friday, September 23, 2011

Chicago Millennium Dogs

(Old looks in the town..)
















Summer Flowers on the Lake Shore

The rose is Americana dark red
New Guinian Impatience is ubiquitous on the campus
Sun rise from the Lake Michigan: A view from the library

Sunday, September 4, 2011

Borders all shut down?

 バーンズ&ノーブルズ、ボーダーズなどの大きな書店にはお世話になったのに …ネットの隆盛に押されたBordersは遂に、今年初めに「チャプター11」へ。State通りの店に行ってみても、とうの昔に閉店セールも中盤を過ぎた趣き。
 「Everything must go!」という吊りポスターの下にいると…物見遊山か略奪客か…みたいな感じになる。

 皆が憩いの場所だった書店に半額セールを期待してくるけれど、いい本は何も残っていないのだ…
 店内の一部シェルフに残っているのは安物のFiction小説やMystery、ロマンス小説、子供向け…みたいなcheap bookと、ファンシー雑貨だけ。…Chicagoの観光ガイドや歴史本なども見当たらない。たぶん本らしい本は全て、早々とどこか別の業者に売ってしまったのだろう─ 冬用のブランケットとThrowだけを買って帰ったが…

 日本では時々、米国の本の主流は安いペーパーバックばかり?などと誤解する人がいるけれど…それは違うのだ。手軽に読み捨てできる安物小説類が電子ブックに代わられ、ペーパーバックの出版数が急落する一方で、今後はペーパーメディアといえば本当の本らしい本、ハードカバーやトレード・ペーパーバックだけが残る兆し、というのだ…
from nyt
The Dog-Eared Paperback, Newly Endangered in an E-Book Age

 ..Recession-minded readers who might have picked up a quick novel in the supermarket or drugstore are lately resisting the impulse purchase. Shelf space in bookstores and retail chains has been turned over to more expensive editions, like hardcovers and trade paperbacks, the sleeker, more glamorous cousin to the mass-market paperback. And while mass-market paperbacks have always been prized for their cheapness and disposability, something even more convenient has come along: the e-book...

http://www.nytimes.com/2011/09/03/business/media/mass-market-paperbacks-fading-from-shelves.html?scp=2&sq=e-book%20readers&st=cse


 最近の新刊本は、1年以内にハードカバーからトレード・ペーパーバック…つまりハードカバーとペーパーバックの中間的なものに、そしてペーパーバックへとあっという間にダウングレード、価格もどんどん安くなってしまっていた…(その数ドルの差が売り上げをぐっと伸張したというが、同じ本をなるべく手早く読みたい者にとってはその気持ちは分かる)でも、今やペーパーバックの座はさらに便利なe-booksに奪われて危機に瀕する傍ら、トレード・ペーパーバックや ハードカバー本の印刷部数が従来より増えている…

 e-books隆盛でも、本当のハードカバーの本はより一層愛されて廃れないのかもだ。以前居た、年代物アパートの同居人も…Indianaのattorneyだったという亡き父上の蔵書のコレクションを棚にしつらえて…使われていない大きな暖炉を覆うTV棚の訪問客が手にとれる位置に、ソール・ベローとかS・モームなどのpaperback、フィッツジェラルドの若書きの小説とか…心休まりそうな古いペーパーバックがあった…そこに座るだけで「読書の手ほどき」をするような意図がセットになっている(本人は余り本を読みそうになかったのだが…)背後の壁際の大きな書棚には、天文学や、人類学などの故人の古い大きな本が詰まっていた─ さりげないfamily traditionだったようにみえた。
 気づいてみると、そういう心づかいはこの街のカフェや、コンドーのロビーにある共用パーラーなどの何処にでもあるようにもみえる。

 最近では、WalMartの安物ペーパーバック売り場でさえも、トレード・ペーパーバックの売り上げが伸びて、売り場の本をそれらに置き換えつつあるという。また以下の記事によると生き残った大型書店のBarns&NoblesはWalMartらとともに、ネット小売業者の拡大を必死に阻んでいるという。
http://www.asahi.com/business/update/0904/TKY201109030583.html
 アサヒ・コム"財政赤字からの脱却をめざすカリフォルニア州は、州内に実店舗がなくても、子会社や「アフィリエイト」と呼ばれるサイトの運営事業者が州内にあれば、売上税を課す新法を7月から施行した。後押ししたのは、米ウォルマート・ストアーズや米書店チェーン首位、バーンズ・アンド・ノーブルなどだ。州は、新税によって約2億ドル(約154億円)の増収を見込む。("米加州のネット新税、アマゾン「撤回なら7千人雇用」") " 

 (Bordersは7月下旬に法廷での売却交渉が決裂して、突然復活の望みも絶たれて全店閉鎖とか。誰の目にも余りにも唐突無常の感が)




*Public Library's lecture about the Chicago novelist Saul Bellow's "The Adventure of Augie March"

Saturday, August 27, 2011

EmanuelとPat Quinn…

Back to the down town chitown

 シカゴの市長がRahm Emanuelに代わって最初の100日がたったとか。でも市庁舎の隣にそびえるリチャード・デイリー・センターや、前庭のイベント広場デイリー・プラザの名前は元のまま。デイリーといっても、先日辞めた先代市長の名ではなく、その父親…悪名高き?先々代のデイリーに因んだ名称だから、変更されないというわけ?

 夜明けに買った新聞によれば市長のエマニュエルが、Ravenswoodの自宅に戻り、そして火曜日の朝は息子と一緒に朝食をとってほっと一息、Brown Lineに乗って通勤したと書いてある。
(上写真:Daley Plazaの火で暖をとる鳩たち) 

"Rahm back home, Rides L to work"

 Emanuelは昨夏市長選のためにワシントンから帰った後も、1年近くNear North Sideのアパートに借り住まいしていた。なぜなら、ずっと彼の家に住んでいたあのRob Halpinが、退去を拒んで居すわったから…

 (Emanuelへのあてつけで市長選に立候補しつつも、途中で辞退したHalpinは…今年の6月まで粘ってEmanuelの家に住んでいたという…)彼が出たあと新市長は家中を掃除し、こすって磨いたとか…http://www.suntimes.com/news/cityhall/7234398-418/emanuel-reclaims-northwest-side-home-rides-l-to-work.html

"Gov, mayor politely presure each other" 知事と市長が慇懃に、お互いをけん制…"

  新市長のEmanuelと、2年目のイリノイ州知事Pat Quinnはこのところ、カジノ拡大法案をめぐって"at odds(対立状態)"にあると、報じられていた…彼らはライバル風に、火曜日に同時に別の場所で記者会見をおこなった。

 ダウンタウンのDePaul大学で会見したEmanuelは、Quinnがシカゴに市営カジノなどを容認するカジノ法案にサインするように望んでいるという…それにより見込まれる税収入を、市のインフラ整備という別の目的に使うべきだ、と …CTAの市営電車やバスの再建、また特に、市のあちこちの道路のPotholes(陥没穴)の補修…特に、昨今Westsideに口を開けて車を飲み込んだ、Monster potholeの補修も含めて…

(…オリンピック招致が、当然のごとく挫折する少し前のころから…市がpotholesを補修できず、地域のアフリカン・アメリカンの住民らが自ら砂利車を押して補修せざるをえなくなっている、と報じられていた…)

http://www.suntimes.com/news/politics/7241273-418/quinn-emanuel-now-arguing-over-everything-from-casinos-to-potholes.html

 …エマニュエルは「カジノ依存を望みはしないが、市のインフラ整備には特別な財源が必要…」だと主張する…

"Though Emanuel said he understands Quinn's qualms about casinos, Congress' inability to pass a highway bill or a transit bill means the city needs new sources of a casino - to pay for $7 billion in infrastructure needs.."

  "Emanuel said he doesn't 'like' relying on a casino, but he sees no better option for money to prevent infrastructure collapse such as the monster pothole that opened up on Chicago's Northwest Side, swallowing a car." "..The pipes, the water systems, in parts of Chicago, are 100 years old," Emanuel said...

 対するQuinnは、サウスサイドのFordの組立工場で会見し、イリノイでギャンブル産業を促進するならば急がすに、レギュレーションをしっかりしてからだ、という。また、昨今ダウンタウンの歴史的な大通り、Wacker Driveの再建工事の現場で、交通局の工事看板にEmanuelが自分の名前をめだつように表示させている…自分ならそんなことはしない、と彼の虚栄心を非難…

  "If you don't notice, I don't put my name :on any of these projects," Quinn said, "I was a big fan of Wacker Drive, That's one of the greatest inventions known to man, Lower Wacker. They are reviving the Drive. Who do you think is paying for that? The state of Illinois is the big investor in that. My name's not on that road and I don't want it to be. It's the project of the people of Illinois. It's their money.I know other people they put their names all over the place"

Quinn posed a capital bill that sends the city $100 million a year.

Despite difference of opinion betsween Quinn and Emanuel, the governor said: "He's my friend, OK. He's been to my office on several occdasions."..
http://www.suntimes.com/news/politics/7241273-418/quinn-emanuel-now-arguing-over-everything-from-casinos-to-potholes.html

 Wacker Driveとは…ミシガン通りのバスの市中心部の折り返し点という感じだが、市街を囲む古い都市計画道路だったようだ…元はChicago Riverの堤防だったとか。東京なら、日露戦争の頃から造られた最初の環状道路という感じ?今もシカゴで最高の路線地価エリアらしい

  新市長と州知事は互いに、他州からの企業誘致と具体的な雇用の増加策を懸命にアピールしている…記事のタイトルはJob, job job!...だ。

 これらの記事にはひと昔前のギャング映画のような口調がなくもない…街の様相が変わって、生活も表面はすっかり現代的になっても新聞は、面白いキャラクターの政治家がいると伝統のシカゴ風ののりになる…

ところでカジノ業界の近況にについてのnytの解説記事にはこうある

Casino Bill Invites Questions About Growth
http://www.nytimes.com/2011/08/26/us/26cncgambling.html?scp=2&sq=rahm%20emanuel&st=cse

Questions surrounding a gambling bill that is headed to Gov. Pat Quinn’s desk have focused on regulation and on how much new casinos could raise for state coffers...But casino industry watchers are also asking whether the gambling market will be oversaturated with five new riverboats, minicasinos at the state’s five horse racing tracks and slot machines at Chicago’s airports...


...Increased competition from neighboring states, an unpredictable economy and casino bankruptcies are raising distress signals for the industry nationwide...

....The Chicago-northwest Indiana market ranks No. 3 in the nation in casino earnings, behind Las Vegas and Atlantic City, according to the American Gaming Association. Every state but Hawaii and Utah has some form of legal gambling, industry observers point out, raising questions about whether further expansion can be profitable.

.... Supporters say the appetite for gambling remains robust. They point to the July opening of Rivers Casino in Des Plaines, the state’s newest casino, as proof. Traffic jammed the Tri-State Tollway, the casino parking lot reached capacity and patrons waited in long lines to get inside. .

 The State Senate president, John J. Cullerton, Democrat of Chicago, said he was recently approached by a lobbyist hired by a Wisconsin casino who hoped to stifle competition by derailing Illinois’s expansion of gambling sites. The fact that neighboring states are worried suggests there is a market for more, Mr. Cullerton said.

...Supporters also argue that a casino in tourist-rich Chicago would keep gamblers here instead of sending them across state lines. Dozens of buses depart from Chicago and its suburbs every day for gambling venues elsewhere. Mr. Emanuel has said Illinois should not allow Indiana to get “$20 million a month while our infrastructure is crumbling.”

 …終わりの部分には、シカゴの上院議員の長がウィスコンシンのカジノに雇われたロビイストから、カジノ法案の立法化を軌道からそらすようアプローチされた話がかかれており…それに対してEmanuelは、「シカゴのインフラがぼろぼろだからと言って、月2000万ドルのカジノ収入を、隣のインディアナ州などに取られるわけにはいかない」と力説…何か、彼の動物的な気の強さのようなものが感じられる?


Emanuel visited our school lately?

Pat Quinn






The former Mayor Daley (senior?)'s name still on the name plate











Pigeons herded together to warm themselves by fire..at Daley Plaza
(it was a chilly day)



A Dee-jay played a music and African American people held a dancing party at noon (on Sep 6)

Sunday, January 16, 2011

The New Opera "MIKADO" in Chicago! シカゴ版:オペラ「ミカド」!

 


 シカゴ・リリック・オペラが昨年末、オペラ "The MIKADO"を上演! 勿論、学期末で超多忙だったし、みるのは不可能だったけれど ─メディアによると、その音楽的な出来に加えて、特に新演出による舞台衣装や装置の美しさは、溜息ものだったとか。


Lyric OperaのSiteのレビューには、このようにある:



“The Mikado, Lyric Opera of Chicago”
http://chicagotheaterblog.com/2010/12/11/the-mikado-review-lyric-opera-chicago/ "I’ve found it, the perfect Christmas gift! It is Lyric Opera Chicago’s radiant, lush, sophisticated and gorgeous production of Gilbert and Sullivan’s The Mikado. One could even put a big red bow on it, the same color as the massive, velvety red flats that act as imperial Japanese doors to the proscenium of Lyric’s stage. They are perfect—as is the whole of


Mark Thompson
’s design for the production. How else to describe his set and costumes’ color palate but as a visual seduction that amplifies and fulfills Arthur Sullivan’s opulent score. Chicago Tribuneのレビューhttp://www.chicagotribune.com/entertainment/music/ct-live-1208-mikado-review-20101207,0,4208095.column


Lyric's mirthful 'Mikado' banishes the chill of winter


 1885年にロンドンで初上演されたという"The Mikado"は、当時、東洋の遠い未知の国と想定されていた日本が舞台で、登場するミカドも明治天皇のイメージだ…欧米では昔から人気が高く、アマチュア層のオペレッタの定番の演目などとしても上演頻度も高いという  …しかし、日本人には皇太子ナンキ・プーやKoko、Yum Yumといった登場人物は、荒唐無稽すぎて少し受けいれがたいものもある、そのため日本では近年まで、ほとんど上演されなかったとか(そのためにタイトル以外は、やや馴染みが薄い?)


 ─しかし今回のChicagoバージョンは、19世紀のImperial Japanの大礼服など極彩色なイメージが、ビジュアル的にも最高…ではないか。未曾有なレトロジャパンを満載した美しい舞台デザインが、慌しいこの年末、寒さでガサついた心を慰める季節の贈り物として評判を呼んでいたようなのだ。 目一杯に綺麗な日本物の新演出は、経済不況の世相のなかで、米国人が「今、見たいイメージを満載した」のかもしれない感じだった。 こんなgorgeousなグッド・オールド・ジャパンをシカゴアンだけが堪能しているのだろうか?


[Wikipediaにはこうもある]: …「戦前、天皇をからかっているという理由で、在連合王国日本国大使館が英国外務省に抗議し、(『ミカド』の)上演禁止を要請したという噂もあるが、真偽のほどは定かではない。日本国内では、外国人向けのホテルなどで題名を伏せたり見張りつきで上演したという話も残っている… 1907年に伏見宮博恭王が日露戦争の際の英国の協力への返礼のため国賓として訪英した折、英国政府はロンドン中の劇場やミュージック・ホールに対して喜歌劇『ミカド』の上演および抜粋の演奏を禁止した。が、当の伏見宮はロンドンではやりの、しかも日本を舞台にした喜歌劇を聴けなかったことを残念がったという…」


(My comment) It seems to be the classic comedy opera "The Mikado" featured the image of 19C imperial Japan, the story is located in an exotic, far east country... But historically Japanese people haven't really been inclined to see this opera, because it appeared to be mocking the Japanese emperor.. the story and the characters' names sound stupid or preposterous... so, it seems to be almost never played in Japan until JUST recently.. But maybe we should forget about preposterousness...? or give up sticking to the past, since the latest Chicago version of "The Mikado" - of Gilbert and Sullivan- seems abandunt with rich, fantasic images of good-old Japan.. (I thought American production designer must have created this posh stage and costumes.. just as the image which they wanted to see in this bleak economic situation..?)  


 ところで日本物といえば、3年前にHaruki Murakami物の芝居を躍進中のシカゴのローカル劇団ステップンウルフ・シアターが上演していたのも思い出す…知り合いの米人俳優は「自分はあの演出、あまり買わない」と酷評していたけれど─Steppenwolf版の "海辺のカフカKafka on the Shore"は、パブリシティ的にはめだっていた…(海外で評判の高い新しい日本作家の作品を新脚色した芝居とあり、内陸の閉ざされたこのシカゴの街では大分新鮮さがある。TVのローカルニュースでみた演出家も何となく得意気、ノリノリ?にもみえた)


→ Chicago版 "Kafka on the Shore"のAd Visualhttp://www.centerstagechicago.com/theatre/shows/6051.html 

Friday, January 7, 2011

黒人市長候補はCarol Moseley Braunに一本化、Danny Davisは脱落



 2月22日の市長選にむけて、RahmやChico等の白人候補に対抗する黒人候補者は当初、James Meeks、Danny Davis、Carol Moseley Braunの有力3候補が乱立、黒人票が分裂するとしてJesse Jacksonなどの“黒人リーダー”たちが懸念していた。   

 しかし、3候補のうち、サウスサイドのバプチスト・メガチャーチの黒人牧師で上院議員のJames Meeksは先日、ばく大な(と思われる)資産総額の公表などを拒否した後に、立候補を取りさげた…  黒人女性候補で元上院議員のCarol Moseley Braunについては「政治的には過去の人」と一蹴しているような記事も多かったが、黒人層には草の根的な支持も結構あるのかも?

*写真はBraun候補


 10月頃に、自分もBrynMawrの駅近くで背の高い黒人に“Maam”などと呼びとめられたりしてCarol Moseley Braunへの署名を求められた(彼は身なりから察して、HalpinとMeeksへの署名を集めていたとかいう、Homeless guyにはみえなかったが)そのときは新参者だったのでMoselay Braunが誰だか知らず、“彼女はポリスに拘束されているのか?”などと頓珍漢なことを尋ねてしまったものだ…すると“違う、彼女は市長に立候補している人だ”と説明をしてくれたが、それでも私がその人のことを知らないというと、がっかりして行ってしまった …  

 年末の金曜日、残る有力黒人候補のひとりDanny Davisが、Jesse Jackson師に説得されて立補を辞退したと報じられた。 Braunが強かったのは有力な黒人ビジネスマン、ComEd(イリノイ最大の電力会社)のCEOが彼女の支持を表明したのが最終的圧力になった、云々…。結局黒人層のもとめていた"コンセンサス候補”は、Carol Molesey Braun候補に絞られDavisは彼女の支持にまわると記者会見で述べた…

*ビデオ: Davisの市長選辞退の記者会見には、BraunとMeeksも同席 
http://abclocal.go.com/wls/video?id=7874278&syndicate=syndicate&section

…1月1日の記事 Davis drops out, endorses Braun His decision makes ex-senator sole major black candidate in mayoral race(黒人候補は一人に絞られる) 

 …前略:人種やエスニシティが大きな役割をはたすローカル・ポリティクスにおいて、いまやこの競争は、市の元教育委員長だったGery Chico、唯一のラティーノ大物候補で、市職員のMiguel del Valleが抜きん出ており、Braun及び、前ホワイトハウス大統領補佐官のRahm Emanuelと対戦している。

 ChicoはBraunとEmanuelを、即座に「ワシントンD.Cの政治家」と位置づけて、彼自身はシカゴの教育委員会やデイリー市長の側近として、市のために長年働いてきたということを強調した。 Chicoは、”私はすべての公共サービスの仕事で成功した、なぜなら私は民族や人種のラインを超えて協力関係を打ちたててきたから”、との声明を発した。

 とはいえEmanuelの選挙キャンペーンは、アフリカンアメリカン層からの支持票の獲得を諦めるものではない。Emanuelは、彼がバラク・オバマ大統領の補佐官だったことをうったえ──この国の最初の黒人大統領が、Emanuelが市長選出馬のために側近の職を辞した際には、彼を幾度も賞賛したことを強調した。 “我々は、我々が直面するすべての挑戦において、共にシカゴ市民の代理として働き、この街のすべての地域の求めるものについて人々に呼びかけねばならない”、とEmanuelは、その声明で述べた…


 コンセンサスを形成する努力がなされるなかでいまだに語られずにいるのは… 多くの政治的プレーヤーたちがぶっきらぼうな評価を下しているのだが… 黒人と白人の有権者たちが─ Harold Washingtonが1983年に最初のシカゴの黒人市長に選ばれて以来、20年以上たった今でも─ 人種にフォーカスを当てている、ということだ。Washingtonは、最初の任期を勝ち取った1083年の選挙戦で、唯一の黒人市長候補だった。黒人リーダーたちは、その選挙より以前から何千何万人もの票田(有権者)
を獲得していたのだが。

 Davisは、彼がBraunを推す理由は、単に彼女がアフリカン・アメリカンだからではない、と主張する。 "私は、ベストな候補者のもとに人々を統合したい”、とDavisはいう。“私の知っている誰もが皆、Carolが最良の候補者だと考えているから…。”

 当初、Davisは、“勝利に近づくために”、Braunへの支持を表明することで、すなわち自分が選挙戦をドロップアウトする、とは思っていなかった、という。しかし後には、もちろん自身の立候補には終止符を打つ、と表明した。 ”私は完全にレースをドロップアウトした。私はすべての熱意をかけて、Carol Moseley Braunを支持している”…
http://www.chicagotribune.com/news/elections/ct-met-danny-davis-01-01-20101231,0,5724476.story New York Timesの関連記事

Other Blacks Drop Out and Throw Support to Moseley Braun in Chicago Mayoral Race

 …Emanuelが世論調査で支持を集めはじめ、Bill Clintonが昨年1月に彼の選挙戦への協力を宣言して以降、アフリカン・アメリカンのリーダー層は再度(黒人層の)統一を呼びかけた。水曜日の夜にJesse.L.Jakson師がシカゴのSouth SideのRainbow PUSHの本部で会合を召集し、Braunや Davisその他が集まった会合は4時間に及び金曜日遅くまでにDavisは選挙戦を退くと宣言した。


(*Rainbow/PUSH : Jesse Jackson師が設立したNGO団体。社会的、政治的な啓蒙を黒人層等に呼びかけている)  政治と人種の問題は、この地で長らく複雑にからみ合ってきた。政治アナリストたちのなかには、人種の問題は…民族基盤や市の中の出身地域などと共に…以前ほど大きく票を分ける要因ではなくなるだろう、と予測する人々もいる。しかし、シカゴの選挙の歴史(Daley市長の就任以前の)はそれを指し示している: シカゴアンたちは1980年代に彼らの最初の黒人市長 Harold Washingtonを選出したが、それは”Council Wars(評議会同士の戦争)"と呼ばれるものに支配されていた時代だった…、白人代議士の多くがWashingtonの支持者たちと闘いを繰り広げ、シカゴ市は“Beirut on the lake”(ミシガン湖畔のベイルート…内戦の地)という痛ましいニックネームを得た。

 今週末の事態の発展は、確かにMs.Braunの選挙戦でのチャンスを拡大するようにも見える。しかしその効果は、いまだに完全にあきらかでない。63歳のMs.Braunは1992年、上院議員として選ばれた最初の黒人女性として巨大な注目を集めたが2期目の選出を逃し、最近では政治的な視野から消えていた。Ms.Braunは今やEmanuelやChico、市職員のMiguel del Valleとともに、続々と減り続ける市長候補者のなかに居すわっている…
http://thecaucus.blogs.nytimes.com/2011/01/01/other-blacks-drop-out-and-throw-support-to-mosley-braun-in-chicago-mayoral-race/?scp=1&sq=Danny%20Davis&st=cseJanuary

 …Braunにとっては、DavisとMeeksの支持者層と、世論調査時には支持者が未定だった浮動層(黒人有権者層の30%)の統合が仕事になる…また黒人ビジネス・リーダーの資金援助を得ねばならない。 この戦略は1983年に、Washingtonが市長に選出された際にアフリカンアメリカンのリーダー達が行った一つの戦略に類似する。Washingtonは黒人層のコンセンサス候補だったが、2人の白人候補者がその支持層を分裂させてしまったのち、民主党の予備選挙において37%の票を得た。その後彼は本選では共和党から出たが、lakefront地域のリベラルな有権者からも支持された…こうした有権者らがBraunに魅力を感じ続けるかどうかには疑問がある。

 Washingonは人種を超えた支持層によって再選されたが、彼の死後そのような同盟関係は粉砕された。Daleyは1989年に白人とラティーノ層による支持の強さから市長に選ばれたが、前任者のWashingtonのように、彼はコアとなる支持層を超えて市のあらゆる問題にとりくむと同時に、他のエスニック・グループとも協働して、契約の効力や、雇用やインフラの改善につとめた。

 人種間の紛争をあおる多くの問題は、依然として残っている─たとえばトラブルを抱える学校や、犯罪、貧弱な雇用市場、その多くが人種別に隔離された住宅や地域の問題、また市の乏しい財政やリソースの統合の問題などがある。

 彼女にはまだ逆風となる問題がある。1992年に上院議員に選ばれた際、彼女は政治力の頂点をきわめたが、彼女の任期は破滅的だった。彼女は再選を目指す上院選での資金濫用疑惑で捜査を受け、またナイジェリア旅行の際にその独裁者と(勝手に)会合した事で論議を呼び、そして上院選で当時無名の共和党候補に敗れた。その後、クリントン大統領は彼女をニュージーランド大使に任命した。

 …1998年に彼女は再選を目指さないと言明したが、2004年に短期間民主党の大統領選に出馬、アイオワ州予備選の前にリタイヤした。彼女はその後自分の食品会社(最近ではオーガニック・コーヒーと紅茶の会社、Ambassador Organics)を設立した…
http://www.chicagotribune.com/news/local/ct-met-mayor-race-0102-20110101,0,6312012.story *彼女は世論調査では黒人3候補中、最下位だったとか。近年は事業経営が不振で財政的な窮乏状態にあったという… 先代市長たちのようなカリスマ性と統合力をもてるのだろうか?



(*左:Carol Moseley Braun, 右:Danny Davis) 





*ChicagoのPublic Library(Harold Washington Library)にその名を残す2代前の黒人市長、故Harold Washingtonは黒人層に今でも慕われている!(Chicagoの黒人の前で彼を知らないといったら呆れられる)